"旧バージョン(5.xx)データ読み込み"を行った場合、全ての情報が読み込まれるのか。

新バージョン(以下「Ver8」)と旧バージョン(以下「Ver5」)のデータ特性の違いにより、Ver8にVer5のデータ全てが読み込まれるわけではありません。Ver5から読込まれるデータは、以下となります。

  • 上部構造
    部材分割、使用材料、剛度、断面耐力(初降伏曲げモーメント、せん断耐力)、非線形特性、初期断面力
  • 上下部接合条件
    接合部形式、バネ値
  • 下部構造
    橋脚形状寸法、断面ブロック、コンクリート断面データ、支持条件、使用材料、初期断面力
  • 解析設定
    上部構造慣性力の作用位置、支承および基礎の減衰定数(上部構造および橋脚は除く)

また、Ver5のデータを読み込んだ後、Ver8以降では以下の作業が必要となります。

  1. 上部構造ブロック名称の入力
    [入力]-[上部構造]-[構造ブロック定義]画面で入力してください。
  2. 残留変位照査用の橋脚高さの入力
    [解析設定]-[共通照査条件]画面で入力してください。
  3. 荷重の入力
    [入力]-[荷重]の各画面で入力してください。
  4. 上部構造および橋脚の減衰定数の確認
    上部構造および橋脚の減衰定数は、Ver5データとの互換性がないため、Ver8以降の初期値がセットされます。[入力]-[解析設定]-[減衰定数]画面で確認をお願いします。
  5. 塑性ヒンジ長、軸方向鉄筋許容引張ひずみ算出用パラメータの設定
    平成24年の道路橋示方書・同解説の改定に伴い、新たに設定された塑性ヒンジ長、軸方向鉄筋許容引張ひずみ算出用パラメータは入力をお願いいたします。
  6. 限界圧縮ひずみの評価位置の確認
    Ver8以降の断面の限界圧縮ひずみの評価位置は、Ver5の動的解析時の設定値を適用します。したがって動的解析を実行していないVer8以降のデータを読込んだ際には、[入力]-[下部構造]-[断面データ]-[コンクリート断面]-[限界圧縮ひずみの評価位置]画面で確認をお願いします。
  7. 解析条件の確認
    解析条件の詳細は完全には読込みできないため、各画面について十分な確認をお願いします。
  8. モデル分割の確認
    Ver8以降では、静的解析モデル、動的解析モデルの分割指定の仕様が違うため、Ver5のモデル分割データと互換性がありません。[解析設定]-[静的解析モデル]または[解析設定]-[動的解析モデル(レベル2地震動)]画面を確認してください。
  9. 固有値解析時の免震支承の剛性の確認
    Ver5では免震支承の減衰マトリックスは常に初期剛性を使用しておりましたが、Ver8以降では、初期剛性と等価剛性の選択を可能としました。初期値は等価剛性となります。したがって、Ver5データを読み込んだ場合でも、等価剛性に設定されていますので、[新設]-[動的解析(レベル2地震動)]-[時刻歴応答解析]-[解析条件]-[減衰モデルの設定]画面の-[免震支承の減衰マトリックスの評価方法]を必要に応じて変更してください。
  10. 免震設計時の安全係数の確認
    Ver5で"免震構造"としていた場合、Ver8以降では必ずしも免震設計としての安全係数を2αとする訳ではありません。[解析設定]-[共通照査条件]画面の"安全係数の設定"を確認お願いします。