コンクリート構造物におけるクリープ・乾燥収縮の影響評価解析を行います。特に、3次元立体要素を用いてモデル化しているので、局部的なクリープおよび乾燥収縮の現象を把握することができます。また、コンクリートの物性試験結果より得た諸数値を入力データとしてクリープ解析が可能です。

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コンクリートの3次元解析方法、3次元解析装置およびプログラム

概要

鋼・コンクリート合成構造物、例えば、コンクリート床版と鋼桁からなる連続合成桁橋において、コンクリートの乾燥収縮やクリープ(自重、プレストレスなど持続する初期応力に起因するクリープひずみ)による収縮ひずみを床版の鉄筋および鋼桁を拘束することにより、床版にひび割れが生じることがある。そのため、床版に有害なひび割れが懸念される場合には、施工上、床版のコンクリートに膨張剤を使用したりするとともに、施工に先だってコンクリートの乾燥収縮やクリープに関する応力度解析を行い、応力度並びにそれに伴うひび割れ発生予測を施工段階ごとに把握する必要がある。乾燥収縮やクリープの解析を行うにあたり、従来は、ビーム要素モデルの微分方程式を応用した手法や汎用FEM解析ソフトで採用されているレオロジーモデルを用いた粘弾性解析法が採用されている。

ところで、連続合成桁において鋼桁設置完了後に打設施工されるコンクリート床版の長期的なひび割れ要因をできるだけ正確に予測するには、コンクリートの自重やプレストレス等に起因する応力度によるクリープひずみ、コンクリートの乾燥収縮ひずみ、膨張剤の使用の有無、年間を通しての気温の変化による影響、構造系変化を考慮した解析(すなわち、架設段階を追った解析)等を適切にモデル化することが必要となる。さらに、局部的なひび割れ現象を把握するため立体的な連続体要素としてモデル化することも必要となっている。

ところが、従来、用いられてきた微分方程式に基づく実用式は主として平面骨組構造のビーム要素に対するもの(すなわち、1軸の応力ひずみ関係式)であり、部材表面の局部的なひび割れ現象を把握することができない。

一方、粘弾性解析法を用いる汎用ソフトでは、連続体要素での解析が可能であるが、非線形解析を行うので結果の重ね合わせができない。その結果、架設段階を追った場合の載荷材齢が異なる複数のクリープひずみの影響が評価できない。また、時刻歴に応じて変化するコンクリートの弾性係数や種々の要因による膨張ひずみ等を適切に評価することも困難である。さらに、繰り返し演算を行う必要があり、演算が複雑化し、結果を得るまでに時間を要することとなる。

本発明は、前記課題を解決するために開発したものであり、鋼・コンクリート合成構造物の局部的なひび割れ現象を連続体要素を用いて迅速かつ精度よく把握することを第1の目的として開発された。

機能&特徴

本解析手法では、架設段階を追った形でクリープ乾燥収縮、膨脹材、温度、気温変化を厳密に考慮した時間依存解析が可能であることが特長となっている。他に、平面骨組解析でよく採用されているTrost-Bazant法を連続体要素に拡張したシンプルな線形構造解析であるので、計算時間の短縮、解が発散しないなどの特長もある。

Trost-Bazant法を独自の手法で立体要素に拡張したシンプルなコンクリート構造のクリープ解析を実現

  • シンプルな線形解析でクリープの影響評価解析を実現
  • 非線形解析を行わないので解の重ね合わせが可能(解析結果を設計と連動できる)
  • コンクリート材齢により異なるクリープの影響評価解析が可能

特許出願

※本解析技術を広く利用していただくため、平成26年11月4日をもって、権利放棄しました。

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