技術ハイライト Technology highlights
長年の橋梁設計・製作ノウハウとJTS独自のCIMモデリングシステム「BeCIM」を活用した最適な橋梁CIMソリューションを提供しています。
橋梁CIMモデリングシステム「BeCIM」誕生の背景
社会資本を取り巻くさまざまな変化へ対応することを目指し、平成24年度から国土交通省がCIM(Construction Information Modeling/Management)の導入を推進しています。平成30年からBIM/CIM(Building and Construction Information Modeling/Management)に変更されました。
CIMとは、土木構造物の3次元モデルに、部材の物性値などを属性情報として与え、これを計画から設計、施工、維持管理そして更新に至る工程で連携し、成長させながら活用することで、事業全体の生産性向上を図ろうとするものです。
その効果としては、可視化による情報共有・合意形成の迅速化や干渉・取り合いのチェックによる品質向上などが挙げられますが、CIMモデルを構築する作業量と効果が見合わないという課題もあります。
この課題を解決するため、橋梁の複雑な形状のモデル化と同時に、部材の材料や仕様などの属性情報を反映させることを可能にしたPC橋CIMモデリングシステム「BeCIM(PC)」を開発しました。
設計システムライクなUIと鋼橋の製作分野で培った3次元化技術により、CIMモデル構築の飛躍的な効率化を実現し、平成25年度のCIM試行工事からCIMモデリングサービスを開始しました。
鋼橋においては、設計製図・製作情報システムを用いた高品質なCIMモデルリングサービスを提供しており、平成26年度の産学官による橋梁CIMの試行業務にも利用されるなど、橋梁CIMモデル構築の効率化に貢献しています。
また、平成28年度には、鋼橋CIMモデリングシステム「BeCIM/MB」をリリース。概略自動設計シリーズ「JSP-1W/4W」のデータを連係し、鈑桁橋、箱桁橋の上部工CIMモデルを瞬時に自動生成する画期的なシステムで、超高速なモデリングと充実した部材表現を実現しました。
今後も、モデル構築の効率化を目指して、設計と連係したモデリングシステムのご提供を予定しています。
「BeCIM」を活用したさまざまなICTソリューションに挑戦
橋梁モデリングシステム「BeCIM」などによるCIMモデル構築から他社CIMシステムとの連係、活用することで、橋梁CIMにおけるさまざまなICTソリューションを提案、実現してきました。
設計品質の向上として注目される構造物の干渉確認や施工計画シミュレーションおよび動画表現など、業界トップクラスの実績を有します。製作、施工においては、PC橋のコンクリートの流動性に関する見える化や、鋼橋の支点部・隅角部の製作作業性の向上として、溶接可否や水抜き穴位置の検討、およびCIMモデルの3Dプリンタ出力への対応実績などがあります。
今後は施工現場での管理や、維持管理分野においては、「橋視郎」などの点検システムとの連携、ロボットシステムを用いた点検の自動化やVRを活用した点検e-Learningシステムへの転用の検討など、新たなCIMモデルの活用に挑戦し、さまざまなICTソリューションで強力にサポートして行きます。