製品・サービスProducts & Service
ADSTICとは
九州大学名誉教授 豊貞雅宏先生らによって FLARP 1) という疲労き裂成長シミュレーションプログラムが開発されました。これは、き裂のない状態から発生して連続的に成長する疲労き裂成長曲線を定量的に推定することに成功した世界唯一のプログラムです。S-N曲線を用いないで、せん断き裂から開口型き裂に遷移する間もランダム荷重下での疲労き裂成長を予測することができます。
ADSTICは、FLARP をさらに進化させ、局所的な塑性域場に存在する非貫通き裂に対するき裂結合力モデルにより、実働荷重下で、任意の大きさのき裂になる寿命と、その時点のCOD、および、要求CTODを理論的に求めることができます。詳しくは文献 2)をご覧ください。
参考文献
1) 豊貞雅宏・丹羽敏男:鋼構造物の疲労寿命予測、共立出版、2001
2) 豊貞雅宏:溶接構造物のき裂健全性評価、2014年9月版 (PDF 9.36MB)
ADSTICの特長
九州大学名誉教授 豊貞雅宏先生が構築された「健全な応力集中場からの疲労き裂発生・成長寿命評価」のアルゴリズムを実装したプログラムです。
最新バージョンのADSTICおよび関連ツールを用いて以下のような解析が可能です。
- 一定荷重振幅下の引張仮想き裂場に対して
- き裂のない状態からのき裂の発生、せん断き裂から開口型き裂への遷移、さらに、き裂の伝播
- 表面き裂、貫通き裂、および、表面き裂から貫通き裂への遷移
ADSTICによる解析手順
き裂進展経路
FEM解析による主応力分布から、き裂進展経路を推定します。
等価分布応力
FEM解析で求めた単位外力による応力分布、残留応力分布と、与えられた降伏点分布から、それぞれのa-K関係、および、等価分布応力を算出します。
き裂成長曲線
単位外力、残留応力、き裂結合力に関する等価分布応力をもとに、ADSTICを用いて、一定荷重振幅下におけるき裂成長曲線を求めます。