JIPテクノサイエンス株式会社(本社:東京都中央区、取締役社長:前川 静男)は、このたび「スマートフォンを利用した高精度路面評価技術の開発」の業績を評価され、文部科学省が主催する「平成31年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)」を、弊社常務取締役 家入 正隆が受賞しましたのでお知らせいたします。

文部科学大臣表彰は、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めた者の功績を讃える賞であり、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、我が国の科学技術の向上に寄与することを目的とした表彰です。なお、表彰式は2019年4月17日に文部科学省講堂にて執り行われます。

受賞概要

受賞名 平成31年度文部科学大臣表彰 科学技術賞(開発部門)
受賞件名 スマートフォンを利用した高精度路面評価技術の開発
受賞者 JIPテクノサイエンス株式会社 常務取締役 家入 正隆
東京大学大学院工学系研究科 准教授 長山 智則(筆頭者)
東京大学生産技術研究所 教授 豊田 正史
東日本旅客鉄道株式会社 趙 博宇
(元東京大学大学院工学系研究科 特任研究員)

開発の特徴

社会インフラのひとつである道路舗装は損傷を生じ易く、路面状態を定期的・即時的に把握し維持管理することが重要である。路面性状を把握する従来の技術として、レーザー等による専用の路面性状調査車による計測が高速道路では実施されているが、これらの専用車両は高額であり、結果として低頻度となっている。また、一般道や海外の幹線道路では客観的な路面評価がなされない路線がほとんどである。一方、車両動揺を計測し、路面性状を簡易評価する研究が2000年代以降活発になるが、精度において大きな課題があった。

本研究開発では、低価格かつ高精度であることに加え、運用が簡単で準リアルタイムで結果を出すことを目標とした。特徴としては、低価格性を実現するために、市販のスマートフォンに搭載されている加速度センサ、角速度センサを用いており、これらのMEMSセンサの応答値から平坦性やIRI(International Roughness Index)を同定している。精度を保証するために、従来の2自由度モデル(クオーターカーモデル)から4自由度モデル(ハーフカーモデル)を採用することで、レーザー等の専用車両と同等の精度を確保した。精度検証は自動車テストコースによる検証や、一般財団法人 国土技術センターでの「路面性状自動測定装置の性能確認試験」、国土交通省へのNETIS登録(KT-170085-VR)や「路面性状を簡易に把握可能な技術」での試験計測等を経ている。路面性状はIRI値として準リアルタイムに解析しており、地図上にマッピングされwebブラウザ上にて確認することができるようになっている。

なお、本成果は内閣府SIP(Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program)にて採択された「インフラ予防保全のための大規模センサ情報統合に基づく路面・橋梁スクリーニング技術の研究開発と社会実装」の成果である。

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