平成29年10月16日に、弊社が実施した『タンク構造物に対する非線形FEM解析手法』が、公益社団法人土木学会技術評価制度 区分5※1で、初の技術評価証を取得しました。

  1. 区分5:土木学会コンクリ-ト標準示方書[設計編]の規定に基づく数値解析
技術評価証授与式の模様
技術評価証授与式の模様

背景

非線形FEM解析を有効に活用するためには、解析結果の信頼性を確保することが肝要であり、近年、解析結果の品質と信頼性を保証するための方法論として、検証と妥当性確認(V&V:Verification and Validation)の重要性が高まっております。
弊社では、LNG地下タンク構造物の耐震性能評価において、非線形FEM解析が有効活用されるために、既往の実験1)を対象として、非線形FEM解析手法と解析結果の妥当性確認を行い、公益社団法人土木学会に数値解析認証評価を依頼しました。

概要

数値解析事案名称 タンク構造物に対する非線形FEM解析手法
対象構造物 タンク構造物(円筒型鉄筋コンクリートシェル構造物)
数値解析の種類 3次元静的非線形FEM解析
評価内容 「タンク構造物の耐荷性能および変形性能」を評価するための解析手法および解析結果の妥当性

【解析手法の妥当性】
    1. 形状のモデル化
    2. 材料のモデル化
    3. 作用のモデル化
    4. 応答解析の設定
【解析結果の妥当性】
    1. 荷重-層間変形角関係
    2. ひび割れ性状
    3. 鉄筋降伏状況
    4. 耐荷機構
    5. 損傷評価(損傷指標、主圧縮ひずみによる評価)
使用ソフトウェア DIANA Release 10.1

技術評価証および報告書

数値解析認証評価証
数値解析認証評価証
報告書
報告書

解析モデルおよび結果コンター図

解析モデル図
解析モデル図
荷重-層間変形角関係
荷重-層間変形角関係
鉄筋ひずみコンター図
鉄筋の降伏状況(鉄筋ひずみコンター図)
平均化偏差ひずみ第2不変量コンター図
平均化偏差ひずみ第2不変量 $\overline{\sqrt{J_2}}$による評価
ひび割れひずみコンター図およびベクトル図
ひび割れひずみのコンター図およびベクトル図
平均化正規化累加ひずみエネルギーコンター図
平均化正規化累加ひずみエネルギー $\overline{W_n}$による評価
主圧縮ひずみ図
主圧縮ひずみ$\varepsilon$3による評価

技術評価制度について

DIANAとは

DIANA FEA社(オランダ)により開発された有限要素法による汎用線形&非線形構造解析システムです。土木・建設分野を中心に日本でも数多くの使用実績があり、特に、コンクリートのひび割れ進展解析、 鋼構造物の弾塑性有限変位解析、地盤の段階施工解析などの非線形解析において高い評価をいただいております。

参考文献

  1. 原田 光男, 鬼束 俊一, 山谷 敦, 松尾 豊史:地震時におけるLNG地下タンク躯体の耐荷機構, 土木学会論文集A1(構造・地震工学), Vol.67, No.3, pp.517-529, 2011.

お問合せ先

ご興味のある方は、以下までご連絡ください。

解析ソリューション事業部 東京技術営業部
担当:山川 創
TEL:03-5614-3204
E-Mail: